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デューデリジェンスでは、Deal Breaker(交渉決裂項目)を複数選定し、その程度・条件・基準を決定しておくこと。

ちょっと長いですが、以前、私が投資銀行時代に、セルでもバイでもデューデリジェンスを行う際の論点としていた項目です。

要はこの論点の確認に必要な資料を徴求、もしくは準備するということになります。というよりそもそもこれがイメージ出来ないと、ディールが成り立ちません。

最初にCのところの事業活動の中で、業界分析のフレームワーク(3C、B3C、5F、PEST等)を使い環境認識を行ったうえで、事業特性を把握(コスト構造分析)します。

それを先日の様にバリューチェーンでを作成し、更に細かい分析を行うことになります。
先方にまともなFAがついている場合は、先方もこのレベルを策定して質問を出して来ます。

重要なことは、デューデリジェンスを行えばそれは瑕疵がたくさん出てきます。その中でその瑕疵の重み付けを行い、どの項目がディールブレイカーとなるかを確認しておくことですね。

それは主要取引先との契約もあれば、粉飾もあれば、キーマン条項の場合もあり、また、それはバイヤーの立場によっても違うわけです。
例えば競合を買収するのであれば仕入先との契約は要らないでしょうが、新規参入はそれがないとディールブレイカーとなります。

ですから、FAはきめ細やかな想像力が必要なのです。


M&Aチェックリスト

適用形態
株式取得(過半数=経営権取得)
株式取得(半数未満=資本参加)
合併
合弁会社設立(事業統合)
営業(事業)譲渡/譲受
一部資産買い取り 等々
A.一 般 事 項
1)会社沿革
2)役員名簿(個人履歴)
3)組織図
4)子会社、関連会社一覧
5)定款および主要規程
6)監査公認会計士、顧問弁護士の氏名、住所
B.株主構成、株式の状況
1)種類別発行済株式数および金額
2)種類別授権株式数および金額
3)株式発行の内訳
4)主要株主名簿(含む所有株式数及び出資額)
5)株主の権利
6)ストックオプション
7)新株発行の計画
C.事 業 活 動
1)主たる事業分野及び製品
2)主要製品別の売上高、利益、シェア
3)市場分析(規模、成長性、予測)
4)競合状況(競合他社のシェア)
5)事業成功の重要な要因(利益の源泉)
6)会社の強みと弱み
7)事業の抱える脅威と機会
8)市場参入障壁と法的規制
9)将来予想される法的規制の可能性
10)事業戦略(含む注力事業・市場)
11)競合他社の状況(戦略、強みと弱み)
D.営 業
1)営業体制 : 組織、販売網、営業人員、営業拠点等
2)主要製品の過去の販売実績(金額、数量)
3)主要顧客に対する過去の販売実績(M&A後の継続性)
4)販売条件(支払い条件及び保証等)
5)価格政策と利益管理
6)広告・販売促進活動
7)サービス体制
E.研究開発・技術
1)R&D活動の主要成果(含む主な取得特許)
2)現在のR&D活動の内容(含む計画中のもの)
3) R&D部門の組織と体制
4)研究開発費(競合他社との比較)
5)第3者から供与されている重要な特許のリスト
6)研究開発設備のリスト(含むリース)
F.人的資源
1) 経営陣、経営幹部、主要研究者(M&A後の継続性)
2) 上記1)の経歴、主要成果、年収、インセンティブ、付加給付、年金
3) 従業員数(余剰人員の有無)部門別、階層別、勤続年数別、年齢別、性別等
4) 一般従業員の平均給与及び付加給付・給与体系
5) 転職率、欠勤率
6) 従業員のモラル
7) 労働組合の状況(含む労働争議の有無)
8) 従業員教育の概要
G.財務状況
 1) 過去3乃至5年間の財務諸表(P/L、B/S、CF)
 2) 営業利益(EBIT)、グロスマージン、純利益、運転資本
 3) 重要な会計方針
 4) 売上高、販売費、一般管理費の内訳
 5) 売上原価の内訳
 6) 研究開発費、投資の内訳
 7) 売上債権の内訳
 8) 不良債権と償却明細、与信限度額
 9) 棚卸資産の内訳(滞留在庫)
10) 固定資産リスト(遊休設備、遊休資産の有無)
11) 取引金融機関リスト
12) 買入債務の内訳、借入金の内訳
13) 税務申告書(過去5年間)(追徴課税の有無、金額)
14)偶発債務の可能性とその規模、簿外債務の存在
15) 関係会社との取引状況
16) 配当政策
17) 監査報告書
H.事業計画
1)経営計画(3年ないし5年)
2)損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー
投資、運転資金、償却費、研究開発費
3)計画策定の前提条件(計画の妥当性)
4)市場規模、シェア、製品価格、経済成長率、織り込み利子率等
5)売上規模が現状のままだったらどうなるか?
6)事業戦略
I.契約及び法律事項
1)知的財産権リスト(含む特許、著作権、商標)(技術利用の制限)
2)過去及び現在の訴訟問題
3)将来予測される訴訟問題
4)株式購入契約書
5)ライセンス契約書
6)借入契約書
7)主要供給業者、製造者との契約
8)主要販売業者、顧客との契約
9)事務所・生産設備・その他財産の購入、リース契約書
10)雇用契約書、就業規則
11)労働協約
12)その他契約事項 (環境保全債務の有無等)
J.そ の 他
1)会社案内及びアニュアルレポート
2)取締役会議事録(過去5年分)
3)株主総会議事録(過去5年分)
4)アナリスト・レポート
5)意思決定プロセスの仕組み- 研究開発計画、事業計画、投資計画、事業パートナーの選定等
6)経営情報システムの概要
[注記]
(1) Deal Breaker(交渉決裂項目)をこの中から複数選定し、その程度・条件・基準を決定しておく。
(2) アドバイザー(外部専門家)はあくまで「頭」になれない。
(3) DDは買い手側当事者が、自己責任で行う行為。
(4) 会計上の財務数値は、決定要件の一部にすぎない。

以上です。

さて、来月からはまたIPOに戻ります。

【お知らせ】

来月より、3回コースでケップルアカデミー様のスタートアップM&Aのコースで弊社代表の田中がお話させていただきます。ご参加お待ちしております。




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ジェイ・キャピタル・パートナーズ 【公式】

ジェイ・キャピタル・パートナーズ株式会社の公式noteです。 プリンシパル(直接)投資と、M&Aアドバイザリー、IPOコンサルなどを行なっています。

#M&Aまとめ

最近は大企業同士のM&Aだけでなく、 コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も盛んだけど、ベンチャー企業のデューデリジェンスや、株価算定、 条件交渉はどうしたら良いのだろう? そんな疑問にM&Aの入り口の話から、 して行きたいと思います、
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